京都の着物体験と課題

こんにちは。

JPRESERVEの宮本です。

前回の記事の和装小物を見ていて、この記事を書こうかとふと思い書くことにしました。

最近、住民様への挨拶を行う中で、呉服や染色関係に携わる方とお話しをする機会も多いです。私も業界から離れて早くも4年ですが、大きく業界が変わりつつあるようですね。

有名なお話ですが、京都の四条烏丸界隈のビルなどはもともと着物メーカーが保有しているものが多く、京都の多くの着物メーカーが不動産で大きく収入を得、着物関係の事業を維持するという構図がほとんどです。昔から、現在伊右衛門サロンがある千總さんの手書き友禅を筆頭に型物などのメーカーがピラミッド構造になっているブランドヒエラルキーが京都にはありました。その中でも苦境にあえぐ中堅の維持に、伝統産業の維持として補助事業がガンガン打たれるというのが京都の構図です。

そのような伝統産業×観光業のマッチングを京都市は至上命題としています。誰も答えがわからぬまま、見るだけの形でしかアピールできていないのが現状です。

下記はひきぞめの板場ですが、他にもかたもん、なせんの工場見学など、これらの見学ツアーをサイトに打てば強烈な反響とともに見学ツアーはすぐに予約が埋まります。しかしながら、見学を受け入れるあまり板場が回らない。そして旅行者からは体験の要望が強く、自分もやってみたいという要望が非常に強いという課題が毎回残るのです。見学に慣れている工場さんは、見学モードにしてあげて作業効率を落とすなんてことも有り、なかなか実と益の天秤が難しいのだそうです。

伝統で着る着物として等身大の着尺でそれを体験させようとしても難しい。。。

観光客がコンパクトに持ち帰れるミニチュア着物体験ができる専用の工場を近いうちに作ってみるというのも一つの解決策かもしれません。風呂敷や、ミニチュア着物(うちかけなど)。

本格的にするとなると、染料の固定を行う蒸しなどの工程(日程がかかってしまう)で日を跨いでしまうことが難点なのかと個人的に思います。

2~3時間の体験で、持って帰れるような染色、アイテムの開発をする必要があるのでしょうし、体験がセットになった宿泊施設の考案などが良いのでしょうね(それであれば蒸している工程も2、3日に分けて体験ができる)。

東九条を芸術の街にかかげる京都市、そして東九条にはまだまだ蒸し屋さんも多く残っている。ホテルやゲストハウスが非常に出店できる最後のオアシス(不動産価格がまだ・・といっても高いですが残っている)。何の縁か、弊社が一番出店しているのも東九条・・・。

レンタル着物が良い例で、生地をポリエステルにして簡単に皆が着れる、体験できるものにハードルを下げる工夫が、より身近に京都らしさを多くの人に体験頂けることにつながったのですから、製造工程においても何かの工夫で京都を代表する観光資源で大きな消費を生み出す可能性だってあるんじゃないでしょうか。

着物業界の皆様。

当社はインバウンドでお客様を呼ぶこと、意思疎通の問題を解消できます。新しい京都の観光資源の開発に当社が尽力できることはありませんか!?お待ちしております!!

 

左下は頂き物の90年前の静御前です。こちらもご近所の方から飾ってと頂きました。

素人の私が見ても、かなりいい作りをしています。土佐犬は最近の物ですがかわいいですね。

 

 

それではまた。